国際税務ニュースレター
超富裕層のグローバルミニマム課税の現状
新聞報道等によれば、G20において議長国のブラジルの主導によるビリオネア(10億米ドル(1米ドル=155円換算で1,550億円)以上の資産を有する者)課税強化に向けた合意を目指していましたが、米国大統領にトランプ氏が当選し、同氏と近い関係にあるとされるアルゼンチンのミレイ大統領の反対等により、2025年11月以降、議論は停止した状況となっているとされています。日本においてはほとんど報道されていませんが、(超)富裕層への課税強化の議論は、経済学、南北問題、地球温暖化、BEPS 2.0の諸問題と複雑に関連しているため、今後かなりの時間(数十年単位)をかけて議論されていく可能性があります。(超富裕層)個人に対するいわゆるグローバルミニマム課税自体の合意は当面は困難のようですが、各国の個人課税に影響を与える可能性はありそうです。