国際税務ニュースレター
タックス・ヘイブン税制における非関連者基準に関する裁判事例
タックス・ヘイブン税制(以下「TH税制」)の適用を巡り、大手自動車メーカーX社が課税処分の取り消しを求めていました。本事案は、TH税制における適用除外(現行法における経済活動基準)における、非関連者基準の適用にあたって、特定外国子会社等が関連者との間の保険取引に関連者以外の者を介在させた場合の収入保険料の取扱いが争点になりました。東京地裁2022年1月20日判決ではXが敗訴し、東京高裁2022年9月14日判決ではXが逆転勝訴した後、国税庁が上告したことで、最高裁の判断が待たれていました。そして、2024年7月18日に、最高裁においてXの再逆転敗訴の判決が確定しました。そこで、この稿では、下級審の判断も含めた事件の概要及び、最高裁の判決について紹介します。