国際税務ニュースレター
国外取引に係る仕入税額控除
消費税計算においては、課税期間中の売上税額から一定の仕入税額を控除することにより納付税額を計算することになりますが、国外取引において控除される仕入税額に関し、事例を用いて留意すべき点について確認したいと思います。
課税所得を計算する上で支払利子は原則的には損金となるため、多国籍企業グループでは税率が低い国のグループ企業から税率が高い国のグループ企業に対して貸付を行うことにより、グループ全体の税負担を軽減することができます。このため主に多国籍企業グループでは、過大な利子を損金算入し税負担を圧縮することが可能となってしまいます。我が国の法人税法上は、過少資本税制、過大支払利子税制を設けこうした租税回避に対応しています。
一方、移転価格税制は多国籍企業グループによる取引価格を通じた所得の海外移転を防止するための制度であり、支払利子のみを対象とするものではありません。ただし金銭貸借取引もその対象には含まれており、海外グループ企業に対する支払利子が独立企業間価格よりも高い場合には支払利子の一部が損金不算入とされてしまう点で、過少資本税制、過大支払利子税制と共通しています。
これを踏まえ、海外グループ企業に対する支払利子が生じた場合におけるこれら3つの制度の適用関係等について整理してみました。
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