移転価格調査への対応プラニング、調査立会、折衝に係る支援を行います。


移転価格調査の概要

税務当局は、一般的に調査ターゲットを絞り込むための実態調査から開始し、このために1カ月から半年程度の期間を投下します。その後、本格的な実地調査として選定された場合には、調査期間は1年から3年に及びます。調査期間中は、調査官との質疑応答や様々な資料提出要請に応じ続けなければなりません。

税務当局が収集する移転価格情報としては、別表17(4)から得られる基本情報の他、調査選定過程で収集される以下の関係資料があります。

  • タックスヘイブンあるいは低税率国にある関連者との取引情報
  • 我が国企業の利益率の低下あるいは継続的な欠損に関する情報
  • 無形資産や企業グループ内役務提供取引に関する情報
  • 移転価格の算定方法の変更等に関する情報

税務当局は、移転価格調査対象の選定基準について公表しておりませんが、移転価格事務運営指針では、調査官が調査に当たって次の点に配意して検討すべきことを指摘しています。

  • 国外関連取引の利益率が内部の非関連取引の利益水準に比べて過少となっていないか
  • 国外関連取引の利益率が同業種の非関連取引の利益水準に比べて過少となっていないか
  • 法人と国外関連者の間で果たす機能や負担するリスクに見合った利益配分となっているか

移転価格事務運営指針では、調査官が検討すべきものとして、資本関係・事業内容の把握、調査対象取引の詳細並びに比較対象取引及び移転価格手法の選定に関する書類等を例示しており、課税処分のために、営業利益率や売上総利益率を内部または外部比較対象取引のそれと比較すること、調査法人が機能及びリスクに見合った利益を得ているかを検討するよう指示しています。

なお、移転価格課税は6事業年度まで遡及が可能ですので、通常の法人税調査で課税される期間の2倍に及びます。

移転価格調査に係る支援

適切な移転価格ポリシーと裏付けとなるドキュメンテーションを行っておくことが、望ましい調査結果を得るためには不可欠です。移転価格ポリシーとこれに基づくドキュメンテーションを行っておくことで、調査対象の選定段階における税務当局の資料要請に応え、本格的な実地調査対象となるリスクを大幅に軽減することが可能です。

移転価格調査に係る支援として、具体的には以下のサービスを提供しています。

  • 調査対象取引の初期リスク診断
  • 非違金額の推計
  • 調査対象取引の対処方針の策定と対応策の実行
  • 実地調査の立会い
  • 反論書の作成を含む税務当局との折衝

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最も基本的な移転価格コンプライアンスである移転価格文書の作成をサポートします。 このサービスには、関係資料の閲覧やインタビュー等の実施、産業別のベンチマーク分析を含みます。文書化を行うことで、法令で求められた文書化義務を満たすだけでなく、移転価格リスクの把握と評価を行うことができます。

APAは、将来事業年度の移転価格課税リスクを回避するための最も有効な手段です。

二重課税排除のための相互協議に係る支援を行います。