IBR/中堅企業経営者の意識調査

2025年版 世界31カ国の中堅企業の経営幹部における女性登用率

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IBR/中堅企業経営者の意識調査
  • 世界の中堅企業の経営幹部における女性登用率は34%(前年比0.5%上昇)、ジェンダーパリティ達成は、前回調査時の2053年から、2051年へ前倒しの予測
  • 日本の中堅企業の経営幹部における女性の登用状況は、堅実に改善中
  • 「サプライチェーン全体でのダイバーシティ推進の働きかけ」「役員人事の数値目標の設定」「女性リーダーの育成基盤整備」の3点が、より多様で持続可能な組織づくりを進めるために必要

太陽グラントソントンは、グラントソントン加盟主要31カ国に対して実施する世界同時調査の一環として、中堅企業の経営幹部における女性登用率に関する意識調査を実施し、その結果を公表した。(調査実施時期:2024年10月~12月、調査対象:非上場企業を中心とする世界31カ国の中堅企業経営者)

本年の調査では、全調査対象国の中堅企業平均は、経営幹部の3人に1人に以上(34.0%)が女性であった。
2024年と比較して、0.5ポイント増加しており、経営幹部における男女平等への進展が、過去5年間の推移よりも上回っていることを示している。
この進展のおかげで、経営幹部の半数を女性が占めるようになる時点は、2053年から2051年に前倒しされる試算となり、これは女性にとっても中堅企業にとっても前向きな一歩であるといえる。しかしながら、平等が実現するまでの道のりはまだまだ長い。

 

今年の調査結果を受けて、グラントソントンは国際女性デーに「行動を加速する―Accelerate Action-」をテーマに設定し、企業が次世代の人材、投資、顧客、さらには成長の機会を確実に捉えるためには、ダイバーシティ推進に向けた取り組みを着実に進めることが求められている、と発信している。

企業の持続的な成長には、多様な視点を取り入れた意思決定が欠かせない。しかし、現在の進展ペースでは、経営層のジェンダーパリティを実現するまでに25年以上かかるとグラントソントンは本調査で予測している。こうした課題に対応し、より多様で持続可能な組織づくりを進めるために、次の3つの視点を提案している。

 

1 サプライチェーン全体でのダイバーシティ推進の働きかけ

取引先や投資先、提携企業などにもダイバーシティ推進を促すことで、より広範な変革が期待できる。企業同士が連携することで、相互の意識改革が進み、変化が加速すると考えられる。

2 影響力のある役員人事における目標設定

取締役会などのガバナンス層において、多様性を意識した人材登用を進めるため、具体的な目標を設定することが有効。企業の未来を見据えたリーダーシップのあり方を再構築することで、持続的な成長につなげることができる。

3 女性リーダー育成のための環境整備

ネットワーキング、メンタリング、研修の機会を充実させ、キャリアのあらゆる段階で女性が成長できる仕組みを整えることが重要である。経営層への登用だけでなく、長期的に活躍できる環境をつくることで、企業全体の発展にも寄与する。

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