IBR/中堅企業経営者の意識調査

中堅企業の「女性経営幹部」に関する世界29カ国同時調査を発表

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IBR/中堅企業経営者の意識調査
  • アジア太平洋地域を含む世界のすべての地域で経営幹部における女性比率が30%を超える
  • 日本の経営幹部における女性比率は調査対象国中唯一の10%台を記録し、世界最低水準に
  • 企業の経営幹部に女性が在籍する割合は調査対象国平均で90%、日本での割合は52%にとどまる

 

世界29カ国の中堅企業経営者に、「自社の経営幹部の女性比率」について尋ねたところ、全調査対象国29カ国の平均は32%を記録し、2021年3月発表の前回の調査結果から1ポイント増加と緩やかな上昇をみせた。地域ごとでは、前回の調査で世界でアジア太平洋地域のみ30%を下回る結果となったが、今回2ポイント上昇し初めて30%台に到達した。

日本の中堅企業における経営幹部の女性比率は前回の調査から横ばいの15%で調査対象国中唯一の10%台を記録し、引き続き調査対象国中最下位となった。

「経営幹部に一人も女性がいない」と回答した中堅企業の比率は日本が引き続きワースト1位。唯一の40%台で各国から大きく引き離される結果となった。

新型コロナウイルスの感染拡大によって生まれた新しい働き方は、女性にとってメリットがあるかを尋ねたところ、調査対象国平均では「そう思う」または「とてもそう思う」と回答した割合が62%であったところ、日本では17%と大きな差が開いた。

新型コロナウイルスの影響を受けて、過去12ヶ月の間に従業員のエンゲージメントとインクルージョンを維持するために講じた施策について尋ねたところ、調査対象国平均および日本、米国、英国の3カ国で最も多かったのは、「従業員のワークライフバランスや柔軟性の促進」であったのに対し、日本は「特に対策は取っていない」と回答した割合が22%と、ここでも調査対象各国との意識の差がうかがえる結果となった。

 

今回の調査結果について、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 主席研究員 矢島洋子氏は次のようにコメントしている;

「コロナ収束の目途が立てば、人材獲得競争は激化することが目に見えている。女性の採用、経営幹部層の育成・登用を可能とする柔軟な働き方とその働き方に即し適性な評価は、同時に、女性に限らず多様な人材を獲得し、活かす経営につながることは言うまでもない。世界がこのことを十分に理解して、毎年着実に取組みを推進して成果を上げているという事実を重く受け止め、日本企業も積極策に転じることが必要だ。」

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