IBR/中堅企業経営者の意識調査

第39回「中堅企業経営者『景況感』意識調査」~世界29カ国同時調査~を発表

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IBR/中堅企業経営者の意識調査
  • 世界29カ国の平均景況感(2021年7~12月期)は70%、前回調査比でほぼ横ばい
  • 調査対象国のうち18カ国の景況感が前回調査比で改善
  • 日本の景況感は前回調査比17ポイント増の34%

全調査対象国平均は前回調査時の水準を維持

世界29カ国の中堅企業経営者に対して行った自国経済の今後一年の見通しに関する2021年下半期の調査結果では、全調査対象国の平均景況感は、大幅な増加を見せた2021年上半期(1~6月期)の調査から1ポイント増の70%を記録した。約半数の調査対象国で2桁ポイント増を記録し、全調査対象国平均で新型コロナウイルス感染拡大前の水準を上回った前回調査と比較すると、今回の調査では改善幅は小さかったが、回復傾向を維持した。

中国・米国・英国はほぼ横ばいに推移、日本は二桁ポイント増

日本・中国・米国・英国の4カ国をみると、直近2回の調査で顕著な景況感の伸びをみせていた中国と米国がいずれも3ポイント減となった。前回大幅に回復した英国は1ポイント増の69%となり、引き続き回復傾向を維持した。近年調査対象各国より大きく引き離され最低水準にとどまっていた日本は、前回調査比17ポイント増の34%と大きく改善し、2018年下半期の調査ぶりにワースト1位から脱却した。また、2015年第二四半期調査で記録した17ポイント増に次ぐ上昇幅であった。

今回の結果について、太陽グラントソントン広報担当パートナー石井雅也は次のように述べている。

「東京都などに発出されていた緊急事態宣言が2021年9月末に解除され、時短要請といった行動制限が緩和された。その結果、飲食・宿泊といったサービス関連業の需要は改善し、非製造業の景況感は好転したと言えるだろう。一方で、原材料の価格高騰と東南アジアを主とする世界的な物流停滞に起因する部材の供給不足にあいまって、製造業の景況感は横ばいとなっている。タイ、ベトナムといった東南アジア諸国のポイントは概ね前回比回復傾向にあり、製造業についても2022年1月以降に回復局面に入るであろうと考えられる。今回の結果では、非製造業を中心に日本経済は回復基調にあると見受けられるも、オミクロン株の感染拡大に伴うまん延防止等重点措置の実施の他、日米金利差の拡大による円安、原材料高により企業物価指数も1980年以来の上昇を示すなど、2022年の日本経済には懸念材料が山積している。政府による柔軟な感染症対策を基本とした経済政策の推進により、経済の本格的な回復を期待したい。」

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