2024年1月22日、EFRAG(欧州財務報告諮問グループ)は中小企業向けのサステナビリティ情報報告基準である、ESRS for listed SMEs(ESRS LSME)及びvoluntary reporting standard for non-listed SMEs(VSME)の公開草案を公表しました。 ESRS LSMEが上場中小企業向けのサステナビリティ情報開示ルールを定める一方、VSMEは中小企業が任意に適用できるガイドラインとして、自社のサステナビリティの取り組みを評価し、ステークホルダー(取引先、金融機関、投資家など)からのサステナビリティ情報提供の要請に効率的かつ適切な方法で応えるための、簡易な報告ツールを提案しています。
ドイツ公認会計士協会(IDW)は、2020年10月にポジションペーパー「非財務報告と保証の未来(FUTURE OF NON-FINANCIAL REPORTING AND ASSURANCE)」(以下「IDWポジションペーパー」)を公表しました 。少し前に公表された文書ではあるものの、サステナビリティ開示を巡る現在の状況を踏まえても興味深い内容です。そこで本稿では、サステナビリティ情報開示を巡る課題を中心に、当該IDWポジションペーパーの概要をお伝えします。